Depositional environments and maturity evaluated by biomarker analyses of sediments deposited across the Cenomanian-Turonian boundary in the Yezo Group, Tomamae area, Hokkaido, Japan

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• 作者：Takuto Ando ; Ken Sawada ; Hideto Nakamura ; Keita Omatsu ; Reishi Takashima and Hiroshi Nishi
• 刊名：Island Arc
• 出版年：2017
• 出版时间：January 2017
• 年：2017
• 卷：26
• 期：1
• 全文大小：1061K
• ISSN：1440-1738

文摘

北海道苫前地域の朱鞠内川と大曲沢における蝦夷層群佐久層中のCenomanian–Turonian 境界(CTB)相当層準のバイオマーカー分析を行ない,有機物の熟成度と堆積環境を評価した.苫前地域の堆積岩の熟成度は,大夕張地域白金川のCTB層準試料より低く,ββホパン熟成度指標では朱鞠内川試料が特に未熟成な値を示した.プリスタン/フィタン比による堆積場の酸化還元環境の評価では,朱鞠内川試料でより還元的,大曲沢試料でより酸化的な結果が得られた.また別の酸化還元指標であるホモホペン比では,朱鞠内川の海洋無酸素事変(OAE)2前後の層準で還元的な値を示し,OAE2相当層準では朱鞠内川試料,大曲沢試料ともに酸化的な値であった.CTB前後の苫前地域の酸化還元環境の変化は,古大西洋やテチス海で起きたとされる無酸素化との関連より,陸源有機物の流入などの地域的な要因で説明できる.しかし,ホモホペン比でみられるOAE期直後の無酸素環境は北西太平洋に特有なより広範なイベントを示唆する可能性がある.